【動物病院監修】猫の嘔吐の原因と対処法とは?~異物誤飲にも注意を~
【動物病院監修】猫の嘔吐の原因と対処法とは?~異物誤飲にも注意を~
はじめに
相模原市・町田市・八王子市の皆様こんにちは。相模原市緑区にある、ほさか動物病院です。
私たちは、地域の皆様の大切なご家族であるねこちゃんやわんちゃんの健康を守るため、日々診療を行っております。今回は「猫の嘔吐(吐く)」について解説いたします。
ねこちゃんが吐いている様子を見ると、多くのご家族が心配になりますよね。食べ過ぎや毛玉などが原因の一時的なものもあれば、深刻な病気や異物が背景にあることもあります。
本記事では、ねこちゃんの嘔吐の主な原因や対処法、自宅でできるケアの方法、動物病院を受診すべきサインをわかりやすくご紹介します。また、当院「ほさか動物病院」での治療方法や治療の特徴についても触れておりますので、ぜひ最後までご覧ください。
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ねこちゃんの嘔吐の原因と対処法とは?
普段から毛玉などを吐く事があるかもしれませんが、頻度や吐いた内容によっては深刻な異常が隠れていることもあります。「よくあること」と軽く考えず、しっかりと様子を見守ることが大切です。
主な原因
1. 毛玉(ヘアボール)
ねこちゃんは体を舐めて毛づくろいをする際、被毛を飲み込むことがあり、それが胃に溜まって毛玉(ヘアボール)として嘔吐されます。月に数回程度であれば問題ないケースが多いですが、頻繁な場合は注意が必要です。吐いて毛玉を出すのではなく便で排泄する方がより理想的な毛玉のコントロールです。
2. 食べ過ぎ・早食い
ドライフードを一気に食べてしまうと、消化が追いつかず嘔吐することがあります。特に、食べたフードがほぼ原型のままで吐き戻されるような場合は、物理的な反射的嘔吐と考えられます。
3. 異物の誤飲
ねこちゃんは好奇心旺盛な性格から、ひも、糸、輪ゴム、おもちゃ、ビニール、布などの異物を誤って飲み込むことがあります。
これにより腸閉塞や消化管穿孔を引き起こし、命に関わる状態になることもあります。
4. 感染症(ウイルス・細菌)
猫汎白血球減少症(パルボウイルス)、猫伝染性腹膜炎(FIP)などの感染症が嘔吐を伴うこともあります。特に子ねこちゃんでは重症化するリスクがあるため注意が必要です。
5. 胃腸炎
細菌やウイルス、ストレス、食物アレルギーなどが原因で胃腸に炎症を起こすと、嘔吐や下痢が見られるようになります。
6. 慢性疾患
腎不全、肝疾患、膵炎、甲状腺機能亢進症、糖尿病などの慢性疾患も、ねこちゃんが繰り返し吐く原因になります。特に高齢のねこちゃんや持病を持つねこちゃんは要注意です。
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自宅でできるねこちゃんの嘔吐処置
軽度の嘔吐や、原因が明らかに軽い場合には、ご家族が自宅でケアを行うことで改善することもあります。
1. 食事の一時的な中止・減量
胃腸を休める目的で、12時間ほど食事を控えるのが基本です(ただし、水分はしっかり与えてください)。その後、消化の良いごはんを少量ずつ与えて様子を見ましょう。
※子ねこちゃんや高齢のねこちゃんの場合は、絶食により低血糖、脱水になる恐れがありますので、必ず動物病院にご相談ください。
2. 毛玉対策
• 日々のブラッシングで飲み込む毛の量を減らしましょう。
• 毛玉ケア用のサプリメント(ラキサトーンなど)や専用フードも効果的です。
3. フードの工夫
• 早食い防止のスローフィーダーなどの使用有効です
• ごはんを複数回に分けて与えることで胃の負担を軽減
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動物病院を受診すべきねこちゃんの嘔吐サイン
次のような症状が見られた場合は、できるだけ早めに動物病院での診察をおすすめします。
1. 嘔吐が1日に何度もある
短時間に何度も嘔吐する場合は、異物の誤飲や中毒、急性の消化器疾患の可能性があります。
2. 数日間、嘔吐が続く
慢性的な嘔吐は、内臓疾患や腫瘍、炎症などのサインかもしれません。
3. 血が混じった嘔吐物
吐いたものに赤や黒っぽい色がある場合、胃や食道に出血がある可能性があります。緊急性が高いため、すぐに診察を受けましょう。
4. 食欲がない・元気がない
食べたがらない、動かないなどの症状がある場合は、全身状態が悪化している可能性があります。
5. 異物誤飲の可能性がある
おもちゃのパーツやひも、ビニールなどがなくなっている、口の中から糸が出ているなどのサインがある場合は、すぐに受診してください。
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ほさか動物病院のねこちゃんの嘔吐治療方法
当院では、ねこちゃんの嘔吐に対し、以下の順番で診療を進めています。
1. 問診・身体検査
• ご家族からの詳細な聞き取り(嘔吐の頻度・内容・経過・フード・異物の可能性など)
• 脱水の有無やお腹の触診、体温チェックなど
2. 必要に応じた検査
• 血液検査:臓器の状態や炎症反応のチェック
• レントゲン・エコー検査:異物や腫瘍の有無を確認
• 便検査:寄生虫や腸内環境のチェック
• 内視鏡検査:異物除去や病変の精査に有効
3. 原因に応じた治療
• 点滴治療:脱水や栄養管理
• 吐き気止めや消化管保護剤の処方
• 抗生物質や駆虫薬の投与
• 異物の除去:内視鏡または外科手術による対応
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ほさか動物病院のねこちゃんの嘔吐治療の特徴3つ
1. 異物誤飲に強い診療体制
ねこちゃんの嘔吐の原因として非常に多い「異物の誤飲」に対し、当院ではレントゲン、超音波検査、内視鏡などを駆使して早期発見・迅速な対応を行っています。
2. 年齢や体質に配慮した治療方針
高齢のねこちゃんや慢性疾患を持つねこちゃんには、体に負担をかけない治療法を提案。必要最小限の投薬、ストレスの少ない検査を心がけています。
3. ご家族への丁寧な説明とサポート
治療の方針や検査結果について、わかりやすくご説明し、不安や疑問にしっかり寄り添います。治療後の生活ケアや再発防止のアドバイスも万全です。
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おわりに
ねこちゃんの嘔吐は、一時的なものから命に関わる重篤な病気までさまざまな原因があります。特に異物の誤飲は早急な処置が必要です。
「たまに吐くのは普通」と思わずに、早めに適切な対応を取ることが大切です!
症状が長引く場合や他の異常が見られる場合には、ほさか動物病院での診察をおすすめします。
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