腫瘍科

こんな症状はありませんか?

  • 体に腫れやしこりができてきた
  • 元気がない、運動したがらない
  • ご飯を食べない、体重が減ってきた
  • 鼻血、鼻詰まり、いびきが大きい
  • 治療しているのに下痢・嘔吐・便秘が続く

犬の主な腫瘍科の病気

肥満細胞腫

肥満細胞腫は体の中にある肥満細胞という細胞が腫瘍化して増殖してしまう病気で、結節(しこり)を作ります。犬の皮膚にできる悪性の腫瘍の中で最も発生率が高く、多くは中年齢以降(7歳以上)で発生し、皮膚以外にも、粘膜や内臓など体のどこにでも出来る可能性があります。見た目は他の皮膚病変と似ていますが、肥満細胞腫は肥満細胞が出す炎症物質のために、軽くさわっただけでも、しこりの周囲が赤く腫れたり、胃が荒れたり、嘔吐や下痢を引き起こしたりすること(ダリエ徴候)があります。
治療は、外科切除が一般的です。細胞診を行うことで診断することができますので、日頃からわんちゃんの体をよくさわってあげて、今まで無かったしこりを見つけたら病院を受診しましょう。

血管肉腫

血管肉腫とは血管を作る血管内皮細胞から発生する悪性の腫瘍です。非常に悪性度が高く、高率に肺、肝臓及び全身へ転移することが知られています。9歳以上の犬を中心に発生し、原発部位として脾臓が最も多く、脾臓に発生する悪性腫瘍の45-50%を占めると報告されています。
血管肉腫は非常に脆いため、破裂して出血をしたり、隣接する器官と癒着することがしばしばあります。脾臓が大きくなってお腹周りが膨らんで、苦しむこともあり、急性に血管肉腫が破裂して出血した場合は、致死的になることもあります。
脾臓に発生した血管肉腫は、外科手術により脾臓を摘出することが一般的です。早期発見には血液検査、凝固系、超音波検査などの検査で見つけることが可能なため、定期的な健康診断を受けることが大切です。

乳腺腫瘍

犬の乳腺腫瘍は雌犬の腫瘍としては最も多いです。発生年齢は良性で10歳、悪性で12歳と悪性腫瘍が高齢で発生する傾向があります。卵巣から出るホルモンが腫瘍の発生に大きく関わっているため、早くから避妊手術をした雌には発生する確率が低下します。症状は乳腺部のしこり、大きな固まり、あるいは皮膚の炎症のように見えるというのが代表的です。老犬でこのような症状があったらすぐに検査が必要です。本邦での犬の乳腺腫瘍は悪性27%で好発犬種はミニチュアダックスフンドとのデータがあります。
治療法は外科切除が一般的で良性であれば完治することが多いですが、悪性のものは早期発見、治療しないと肺などに転移するので、できるだけ小さなうちに病院を受診しましょう。
また、初回発情までに避妊手術を受けた犬での乳腺腫瘍の発生率は0.5%以下、1回目の発情後8%、2回目の発情後26%と予防として早期の避妊手術が挙げられます。避妊手術は乳腺腫瘍以外にも子宮卵巣の病気も予防し発情期に発生する様々なトラブルも防止でき、精神的にも行動的にも安定した子になります。愛犬に健康で長生きしてもらうためにも、早期避妊手術をしましょう。

猫の主な腫瘍科の病気

リンパ腫

リンパ腫とは、リンパ系の細胞が異常に増殖してしまう病気で、猫に最も多く見られる腫瘍の一つです。10歳前後の猫で多く見られ、猫白血病ウイルス(FeLV)や、猫免疫不全ウイルス(FLV)が陽性の場合、発症する危険性が高まると言われています。悪性であった場合は、余命は長くて3ヶ月と言われています。リンパ腫はリンパ節や脾臓のようなリンパ組織から生じますが、腎臓や皮膚など体の全ての組織から生じる可能性があります。症状は発生部位により異なりますが、元気食欲低下、嘔吐、下痢など様々です。
治療法は、化学療法(抗がん剤治療)が多く、ステロイドや、外科療法もあります。
元気食欲低下など、老齢性のこともありますが、腫瘍が原因のこともあるため、病院での定期的な健康診断をお勧めします。

扁平上皮癌

扁平上皮癌は、皮膚や粘膜を形成する扁平上皮細胞という細胞が腫瘍化したものです。
猫の場合、口の中や目、鼻、口などの頭部に出来ることが多いですが、扁平上皮細胞がある場所であればどの部位にでも出来るため、全身の皮膚や爪の周り、腹部などにも出来ることがあります。特に、猫の口腔内腫瘍(お口の中の腫瘍)の大半は、この扁平上皮癌と言われているため、ねこちゃんの口に以前はなかったいぼや膨らみを見つけたら、病院で精密検査を受けましょう。
扁平上皮癌は、日光刺激や「ノミ駆除製品の使用」、タバコの副流煙などが腫瘍の発生に関与していると言われており、外にも行く猫で治りにくい皮膚病などがあったら注意が必要です。治療法は外科手術が一般的ですが、場合によっては化学療法も行います。しかし、診断する際には既に病気が進行している場合が多く、予後は不良で、1年以上生きられる子は10%未満と言われています。
早期発見のためにも、日頃から、愛猫の体に良くさわっておいて異変があった時にすぐ気づくことができるようにしておきましょう。

乳腺癌

乳腺癌は、猫の腫瘍の中で3番目に多いもので、犬の乳腺腫瘍は50%の確率で良性と言われているのに対し、猫の乳腺腫瘍は80〜90%の確率で悪性と言われています。多くは中高齢以上(10~12歳前後)で発生し、犬と同様にホルモンが腫瘍の発生に関与しているとされ、早期に避妊手術を行った場合は発生率が低下します。
治療は、外科切除が一般的ですが、化学療法も行います。また、予防としては早期の避妊手術が挙げられ、生後6か月以内、または遅くても12ヵ月以内に避妊手術を受ければ、乳腺腫瘍の発生は80~90%軽減できるとされています。
愛猫の健康を守る為にも、早期の避妊手術をお勧めします。

ほさか動物病院
腫瘍科診療の3つの特徴

生検、FNA(細胞診)

患部に針を刺して細胞を採取し、塗抹を染色して顕微鏡にて細胞診を行います。細胞診によって診断が確定することもありますが、多くは除外診断に用います。

化学療法(抗がん剤治療)

多剤化学療法という、複数の抗がん剤を組み合わせた治療を行います。一般的には、1週間ごとに異なる薬を4種類投与し、休薬期間をはさみ、同じサイクルを4回繰り返します。投薬の前には、血液検査や超音波検査を行い、体の状態や薬の効果を確認します。
副作用にも注意し、抗がん剤の種類や量を調節したり、吐き気止めを併用することもあります。

外科手術

原発疾患の外科切除を行います。リンパ節切除、脾臓摘出、下顎切除、乳腺切除など多岐にわたる手術を実施しています。

診療の流れ

1

受付・問診

受付後に診察室内でスタッフが問診いたします。

2

身体検査

しこりの大きさ、外貌、疼痛があるかなどを確認していきます。経過を観察するため、患部の写真を撮らせていただく場合がございます。

3

検査

症状や状態に応じて血液検査(一般、化学、凝固)や画像診断(レントゲン、超音波)を提案させていただきます。動物への負担や時間、費用の相談後検査を実施します。

4

検査結果の説明・治療方針のご相談

検査データより考えられる疾患、追加検査の必要性の有無をご説明し治療を開始いたします。病状によっては即日入院もご相談させていただきます。

診療料金

検査費用

血液検査(炎症反応性タンパクの検査を含む) 13,000円〜
レントゲン検査 5,000円〜
超音波検査 5,000円〜
FNA+細胞診 3,000円〜
病理検査(1部位) 14,000円〜

治療費用例

外科手術、化学療法(抗がん剤治療) 都度相談
病気の種類や、その子の状態によって値段が大きく前後します。
動物への負担や、費用の相談後、処置を行います。

腫瘍科担当の獣医師

副院長妹尾 泰正

経歴

麻布大学 卒業

所属学会・資格等

  • ・日本獣医がん学会
  • ・日本獣医再生医療学会
  • ・日本獣医再生医療
  • ・JSFM CATvocate

年齢ステージに合わせた予防、治療をご家族と相談しチームでサポートできるよう心掛けております。ご相談お待ちしております。

腫瘍科関連のお知らせ

ただいまページを準備しております。もうしばらくお待ちください。