【動物病院監修】わんちゃんの膵炎の原因と対処法~早期発見で愛犬の健康を守る~
【動物病院監修】わんちゃんの膵炎の原因と対処法~早期発見で愛犬の健康を守る~
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はじめに
相模原市・町田市・八王子市の皆様、こんにちは。相模原市緑区にある ほさか動物病院 です。
私たちは、大切な家族の一員であるペットの健康と幸せを守るため、日々診療に取り組んでいます。
今回のテーマは「犬の膵炎」です。
膵炎は、わんちゃんの健康を脅かす病気の一つで、早期発見と適切な治療が重要です。膵炎の症状を見逃してしまうと、愛犬の体に大きな負担をかけるだけでなく、命に関わる可能性もあります。
この記事では、わんちゃんの膵炎の原因や自宅での対処法、動物病院を受診すべきサインについて詳しく解説します。また、当院「ほさか動物病院」で行う膵炎治療の方法や特徴についてもご紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。
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わんちゃんの膵炎の原因と対処法とは?
膵炎とは?
膵臓は、消化酵素(膵液)やホルモン(インスリンなど)を分泌する重要な臓器です。消化管内で消化液として働く膵液が,誤って膵臓内で活性化することで自分の膵臓を消化してしまい,炎症や壊死を起こすと考えられています。膵炎には、大きく分けて 急性膵炎 と 慢性膵炎 の2種類があります:
• 急性膵炎:突然発症し、短期間で重症化することがある病態。早期治療が不可欠です。
• 慢性膵炎:症状がゆっくり進行し、膵臓に長期間にわたるダメージを与える病態。
主な原因(要因)
膵炎はさまざまな要因で発生します。以下はわんちゃんの膵炎の引き金となるうる要因です。
1. 高脂肪の食事
脂肪分の多い食事を摂取することで膵臓に負担がかかり、膵炎を引き起こすことがあります。特に、人間の食べ物を与えることは注意が必要です。
2. 肥満
肥満は、膵臓に過剰な負担をかける要因の一つです。適切な体重管理が膵炎の予防につながります。
3. 遺伝的要因
一部の犬種(ミニチュアシュナウザー、ヨークシャーテリア、コッカースパニエルなど)は、膵炎の発症リスクが高いとされています。
4. 薬剤の影響
一部の薬剤(抗生物質、ステロイドなど)が膵炎を引き起こすことがあります。薬を使用する際は、獣医師と十分に相談することが重要です。
5. 他の病気
糖尿病やクッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)など、膵炎の発症リスクを高める病気も存在します。
6. 外傷や手術の影響
膵臓周辺への外傷や手術が原因で膵炎が発生することがあります。
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自宅でできるわんちゃんの膵炎の処置
わんちゃんの膵炎が疑われる場合、自宅での処置はあくまで応急措置であり、必ず動物病院での診察を受ける必要があります。しかし、症状が軽度の場合や病院へ行くまでにできることもいくつかあります。
1. おやつなどは与えない
膵炎の際、食べ物によっては膵臓に負担がかかります。食欲がないからといっておやつをたくさんあげてしまうと悪化する場合があります。
2. 水分補給
膵炎により嘔吐や下痢があると脱水症状を引き起こします。新鮮な水を常に用意しておきましょう。必要に応じて動物用の電解質飲料を与えることも検討してください。
ただし、自宅での処置だけで膵炎を完治させることはできません。症状が少しでも続く場合や悪化が見られる場合は、すぐに動物病院を受診してください。
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動物病院を受診すべきわんちゃんの膵炎サイン
わんちゃんの膵炎にはさまざまな症状があり、早期に気づいて対処することが重要です。以下のような症状が見られた場合は、迷わず動物病院を受診してください。
主な膵炎の症状
• 嘔吐(頻繁な嘔吐がある場合)
• 食欲不振(まったく食べ物を受け付けない)
• 元気がない(活動量が極端に減る、無気力な状態)
• 腹痛(腹部を触ると嫌がる、丸まった体勢でいることが多い)
• 下痢(特に脂っぽい便や黄色い便)
• 発熱
• 脱水症状(皮膚をつまんでもすぐに戻らない場合)
特に注意が必要なケース
• 症状が24時間以上続く場合
• 上記の症状が複数同時に見られる場合
• 子犬、高齢犬や持病を持っている場合は早めの診察が必要です。
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ほさか動物病院のわんちゃんの膵炎治療方法
ほさか動物病院では、膵炎に対する専門的な診療を行っています。以下のプロセスで治療を進めます。
1. 詳細な問診と診察
ご家族から食事内容や症状の経緯を詳しく伺い、身体検査を実施します。膵炎の診断には初期の情報が非常に重要です。
2. 検査の実施
膵炎の診断するため、以下の検査を行います:
膵炎は1つの検査で行うものではなく、複数の膵炎の所見(サイン)を検出することと、他の類似した病気を除外する必要があります。
• 血液検査(膵臓の負荷や炎症を示す数値を確認)
• X線検査(他の臓器への影響や異常を確認)
• 超音波検査(膵臓の腫れや異常を確認)
3. 治療の実施
• 点滴治療:膵炎による脱水症状を改善するために行います。
• 痛み止めや制吐剤:症状の緩和を目的に使用します。
• 食事療法:膵臓に負担をかけない療法食を提案します。
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ほさか動物病院のわんちゃんの膵炎治療の特徴3つ
1. 原因究明への詳細な検査
膵炎は単一の検査で診断できるものではなく、複数の検査を組み合わせて他の疾患の可能性を除外することで診断を勧めていく必要があります。
2. 重症度に応じた治療
軽度では通院治療を主体にする場合や進行性、重症度が高い場合は入院治療と状況に応じて治療方法を選択することができます。
3. 再発予防
治療終了後も膵炎の再発率を減らすような食生活、食事相談をすることでアフターケアを行っています
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おわりに
わんちゃんの膵炎は適切な対応を行えば改善が見込める場合が多いですが、重症化してしまうと命にかかわる状態に進行する可能性もあります。早期発見と治療が愛犬の健康を守る鍵となります。
ほさか動物病院では、膵炎を含む消化器疾患に対する診察と治療を行っています。わんちゃんの体調に少しでも異常を感じた場合は、ぜひ当院へご相談ください。私たちは地域の皆様とわんちゃんの健康を全力でサポートいたします!
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