【動物病院監修】猫の便秘の原因と対処法とは?~快適な毎日を守るために~

【動物病院監修】猫の便秘の原因と対処法とは?~快適な毎日を守るために~
はじめに
相模原市・町田市・八王子市の皆様こんにちは。相模原市緑区にある、ほさか動物病院です。私たちは、地域の皆様の大切なご家族であるわんちゃん、猫ちゃんの健康を守るため、日々丁寧な診療を行っています。
今回は「猫の便秘」に関して解説いたします。
猫ちゃんが便秘になると、「最近うんちをしていない」「トイレで何度も踏ん張っているけど出ていない」といった様子が見られ、ご家族も心配になることでしょう。
便秘は一時的なものから慢性化することもあり、放置してしまうと深刻な健康トラブルに繋がる恐れがあります。本記事では、猫ちゃんの便秘の原因、自宅での処置法、受診すべきサイン、そして当院「ほさか動物病院」で行っている治療方法とその特徴についてご紹介いたします。

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猫の便秘の原因と対処法とは?
猫ちゃんの便秘は、腸内の内容物(便)が正常に排出されない状態です。便が長く腸に留まることで、水分が吸収されて減ることで硬くなり、さらに出しづらくなってしまうという悪循環に陥ります。主な原因は以下の通りです。
1. 水分不足
猫ちゃんは元来、砂漠地帯に住んでいた動物で、水をあまり飲まない傾向があります。ドライフード中心の食生活では水分摂取量が不足しがちになり、便秘の原因となります。
2. 運動不足
室内生活の猫ちゃんは運動量が少なくなる傾向があり腸の動き(蠕動運動)も鈍くなります。特に高齢猫では運動不足と筋力低下が便秘を引き起こす要因になります。
3. ストレス
引っ越し、家族構成の変化、新しいペットの登場、周辺での工事など、環境の変化は猫ちゃんにとって大きなストレスになります。ストレスによって排便リズムが乱れ、便秘につながることがあります。
4. 毛玉の蓄積
グルーミングが多い猫種や長毛種では、毛玉が腸内に溜まりやすく、便と一緒に排出されずに便秘の原因となることがあります。
5. 病気・疾患
腸閉塞、巨大結腸症、骨盤の変形、神経障害などの病気が隠れていることもあります。慢性化している便秘は、こうした病気が背景にある可能性があります。
6. 食事の内容
繊維不足や急な食事の変更、消化しづらいフードなども便秘の引き金となります。
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自宅でできる猫ちゃんの便秘処置
軽度の便秘であれば、自宅での工夫によって改善が期待できます。ただし、3日以上排便がない、苦しそうな様子があるなどの場合は、自己判断せず動物病院を受診しましょう。
1. 水分摂取の工夫
•    ウェットフードの割合を増やす
•    複数の場所に新鮮な水を設置
•    猫用の循環式給水器を使って飲水を促進
2. 食事の見直し
•    食物繊維を適度に含む療法食やサプリメントの利用
•    消化の良いフードへの切り替えを検討
•    長期的に便秘傾向がある場合は、動物病院と相談のうえフード選びをすることが重要です
3. 運動の促進
•    毎日決まった時間に遊ぶ習慣を
•    キャットタワーやトンネルなど、運動できる環境を整える
4. ブラッシングによる毛玉対策
•    長毛種や換毛期の猫ちゃんは特にこまめなブラッシングを
•    飲み込んだ毛を排出するサプリやペーストの活用も効果的
5. ラキサトーン(毛玉除去剤)の使用
•    毛玉による便秘の場合、動物病院で処方される軟便剤やラキサトーンが有効です
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動物病院を受診すべき猫の便秘サイン
次のような症状が見られた場合は、早めに獣医師の診察を受けてください。
1.    3日以上排便がない
2.    トイレで何度も踏ん張るが出ていない
3.    嘔吐や食欲不振を伴う
4.    お腹を触ると痛がる、鳴く
5.    元気がなく寝てばかりいる
6.    お尻から粘液や血が出ている
7.    排便時に鳴いている、異常に嫌がる
便秘の背後に重大な疾患が隠れていることもあるため、無理に綿棒で刺激したり、市販薬を与えることは避けましょう。
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ほさか動物病院の猫の便秘治療方法
当院では、猫ちゃんの便秘に対して次のようなプロセスで丁寧な診察と治療を行っています。
1. 詳細な問診・身体検査
•    食事内容、排便の頻度、生活環境などを詳しく伺います
•    お腹の張りや便の貯留を触診で確認
*便の状態を確認するため可能であれば排泄した便をラップなどにくるみご持参ください。また、排便直後の写真も参考になるため撮影いただけると幸いです。
2. レントゲン・超音波検査・血液検査
•    便の貯留場所、量の確認
•    腸の拡張、ガス、異物の有無をチェック
•    脱水や電解質の異常、腎機能の評価
3. 便秘の程度に応じた治療
•    浣腸や摘便(軽度~中等度の場合)
•    点滴による脱水改善
•    食事療法と整腸剤・乳酸菌サプリの併用
•    重度便秘や「巨大結腸症」の場合は外科的処置(麻酔下での摘便、結腸切除術)を提案することもあります
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ほさか動物病院の猫の便秘治療の特徴3つ
1. 原因を見極めるための総合的な検査体制
当院では、レントゲン・超音波・血液検査などを組み合わせて、便秘の原因を詳細に評価します。「ただの便秘ではない」ケースも少なくありません。しっかり原因を把握することで、猫ちゃんに最適な治療を提供できます。
2. 猫ちゃんのストレスに配慮したやさしい診療
猫ちゃんは環境変化や治療に敏感な動物です。当院では、猫専用スペースや静かな待合室を設け、猫ちゃんにストレスの少ない診療環境を整えています。診察・処置もできる限り負担のない方法を選択します。興奮、緊張が過度な場合は飲み薬や注射にてストレスを軽減することもご提案可能です。
3. ご家族との丁寧なコミュニケーション
「なぜ便秘になったのか?」「今後どうしたらいいか?」といった疑問に、分かりやすく丁寧にご説明します。治療方針や自宅でのケアについても一緒に考えていきますので、ご不安なことは何でもご相談ください。
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おわりに
猫ちゃんの便秘は、軽く見られがちな症状ですが、放置すると大きなトラブルに繋がる可能性もあります。
便秘の場合は、早めに適切な対応を取ることが大切です!
症状が長引く場合や他の異常がある場合は、ほさか動物病院での診察をおすすめします。
猫ちゃんの健康を守るために、私たち「ほさか動物病院」は地域の皆様と共に全力でサポートいたします。
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