【動物病院監修】犬の風邪(上部気道感染症)~軽い咳や鼻水も長引くときは注意を~ NEW
【動物病院監修】犬の風邪(上部気道感染症)~軽い咳や鼻水も長引くときは注意を~
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はじめに
相模原市・町田市・八王子市の皆様こんにちは。
相模原市緑区にある、ほさか動物病院です。
「最近わんちゃんがくしゃみをする」「鼻水が出て元気がない」といった症状はありませんか?
人と同じように、わんちゃんにも風邪にあたる「上部気道感染症」があります。
鼻・喉・気管などの炎症によって咳や鼻水が出る病気で、多くは軽症ですが、長引く場合には別の原因が隠れていることもあります。
今回は、犬の風邪の原因や治療、繰り返すときの注意点について解説します。
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犬の風邪(上部気道感染症)の原因と対処法とは?
犬の風邪の多くはウイルスや細菌による感染ですが、単純な感染だけではなく免疫力の低下や全身疾患が関係しているケースも少なくありません。
主な原因は次のとおりです。
・犬パラインフルエンザウイルス
・犬アデノウイルス2型
・犬ヘルペスウイルス
・マイコプラズマ、ボルデテラ菌などの細菌
・免疫力の低下(加齢、ストレス、慢性疾患)
・腫瘍性疾患(鼻腔内腫瘍や咽喉頭の腫瘍)による炎症や閉塞
特に高齢のわんちゃんや慢性疾患を持つ子では、免疫が低下して風邪をきっかけに重い感染症へ進行することがあります。
また、鼻水や咳が何度も繰り返す場合、単なる風邪ではなく腫瘍性疾患や慢性気道炎が隠れていることもあるため注意が必要です。
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自宅でできる犬の風邪の処置
軽い症状のうちは、自宅でのケアで改善することもあります。以下の点に注意してください。
1. 安静と保温
無理な散歩や運動を避け、暖かく静かな環境で休ませましょう。
体が冷えると免疫が下がり、回復が遅れます。
2. 湿度の管理
空気が乾燥していると咳が悪化します。加湿器で湿度を50〜60%に保つようにしましょう。
3. 水分補給
鼻づまりや発熱があると脱水しやすくなります。飲み水を清潔に保ち、スープやウェットフードで水分を補給します。
4. 食事(給与)の工夫
消化の良い食事を少しずつ与えましょう。温めて香りを立たせると食欲が出やすくなります。
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動物病院を受診すべき犬の風邪のサイン
以下のような症状がある場合は、自己判断せず早めに動物病院を受診してください。
・咳や鼻水が3日以上続く
・鼻水が黄色や緑色になってきた
・発熱、元気や食欲の低下
・呼吸が苦しそう、ゼーゼーしている
・目やにが増えた
・何度も風邪を繰り返している
風邪が長引く場合、単なる感染症ではなく次のような疾患の可能性もあります。
・慢性気管支炎や気管虚脱
・鼻炎や副鼻腔炎
・免疫低下を引き起こす内臓疾患(肝臓・腎臓・ホルモン異常)
・鼻腔や喉の腫瘍
こうした疾患では、いくら抗生剤を使っても症状が改善しないことが多く、早期の精密検査が必要です。
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ほさか動物病院の犬の風邪診療方法
当院では、まず問診と身体検査で症状の経過・環境・生活状況を詳しく伺い、原因を探ります。
そのうえで必要に応じて以下の検査を行います。
・血液検査:炎症や免疫状態、内臓機能の確認
・レントゲン検査:気管・肺・心臓の状態を評価
・鼻汁や咽頭ぬぐい液の検査:ウイルス・細菌の同定
・必要に応じて内視鏡検査:慢性鼻炎や腫瘍の確認
治療は症状と原因に応じて組み合わせて行います。
・抗菌薬、抗炎症薬
・鎮咳薬、去痰薬
・ネブライザーによる吸入治療
・点滴や栄養補給
・免疫を高めるサプリメントの併用
ほさか動物病院では、気道の炎症を直接鎮めるネブライザー治療を積極的に行っています。
薬剤を霧状にして吸入させることで、鼻や喉の粘膜に効果的に作用し、回復を早めることができます。
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ご家庭での生活と再発予防
わんちゃんの風邪は、体力や免疫が落ちているサインでもあります。再発を防ぐためには、次の点が大切です。
・十分な睡眠と休息
・バランスの取れた給与
・定期的なワクチン接種
・乾燥や温度変化の少ない環境づくり
・ストレスを減らす生活習慣
また、風邪を繰り返す場合は免疫低下や腫瘍性疾患の可能性があるため、安易に「いつもの風邪」と考えず、早めにご相談ください。
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ほさか動物病院の犬の風邪治療の特徴3つ
1. 呼吸器に特化した丁寧な診断
問診と検査で、単なる風邪か他の病気かを正確に見極めます。
2. ネブライザー治療の導入
炎症をやわらげ、抗菌薬を効率よく気道に届ける治療を行います。
3. 再発を防ぐ生活・免疫サポート
栄養指導、サプリメント、ストレス対策などを含めた包括的なケアを提案します。
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終わりに
犬の風邪は軽症で済むことも多い一方で、長引いたり繰り返す場合は、免疫低下や腫瘍性疾患が関係していることもあります。
特に高齢のわんちゃんでは、呼吸器の炎症が慢性化していることも少なくありません。
咳が続く、鼻水が黄色い、元気がないといった症状が見られたら、早めの受診が大切です。
ほさか動物病院では、ネブライザー治療を中心に、わんちゃんの呼吸器症状をトータルにサポートしています。
少しでも様子が気になるときは、いつでもご相談ください。