【動物病院監修】犬の鼻水~くしゃみ・鼻づまり・鼻血が出るときの原因と治療~ はじめに NEW
【動物病院監修】犬の鼻水~くしゃみ・鼻づまり・鼻血が出るときの原因と治療~
はじめに
相模原市・町田市・八王子市の皆様こんにちは。
相模原市緑区にある、ほさか動物病院です。
わんちゃんが「ズズッ」「フンフン」と鼻を鳴らしたり、
透明な鼻水が出ている姿を見て、風邪のように感じたことはありませんか?
実は、わんちゃんの鼻水にはさまざまな原因があり、
単なる鼻炎から、アレルギー、歯の病気、さらには腫瘍まで関係していることがあります。
今回は、わんちゃんの鼻水の原因や治療法、
そしてほさか動物病院で行っている検査・治療の特徴について詳しくご紹介いたします。
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1.犬の鼻水とは?
鼻水とは、鼻の粘膜が刺激や炎症を受けたときに分泌される液体です。
正常なわんちゃんでも少量の鼻水は分泌されていますが、
色・量・におい・持続期間によって、病気の可能性が変わります。
• 透明で少量:正常または軽度のアレルギー・冷気刺激など
• 白濁・黄緑色:細菌感染や副鼻腔炎の可能性
• 血が混じる:強い炎症、異物、腫瘍などの可能性
鼻水と一緒にくしゃみ・鼻づまり・涙目などが見られる場合、
上気道全体に炎症が広がっていることもあります。
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2.犬の鼻水の主な原因
① 感染性鼻炎(ウイルス・細菌)
風邪に似た症状で、特に寒い季節や乾燥時期に多く見られます。
ウイルス感染(パラインフルエンザ、アデノウイルスなど)に続いて、
二次的に細菌感染が起こることで、膿のような鼻水が出ます。
症状:
• 透明から白濁、黄緑の鼻水
• くしゃみ、咳、発熱
• 元気・食欲の低下
軽度であれば自然に回復することもありますが、
長引く場合は抗菌治療が必要になることがあります。
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② アレルギー性鼻炎
花粉、ハウスダスト、香料、タバコの煙などが原因で、
鼻粘膜がアレルギー反応を起こすことがあります。
アレルギー体質のわんちゃんでは、春や秋など季節の変わり目に悪化しやすく、
透明でサラサラした鼻水が続きます。
症状:
• 透明な鼻水が長く続く
• くしゃみを繰り返す
• 鼻をこする、顔を掻く
• 目のかゆみや涙
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③ 歯の根の炎症(歯根膿瘍)
上顎の奥歯の根っこが感染すると、
炎症が鼻腔にまで広がり、片側だけから鼻水が出ることがあります。
歯根病変による鼻水の特徴:
• 片側性(片方の鼻だけ)
• 黄色~茶色の鼻水
• 口臭や歯ぐきの腫れを伴う
この場合、抗菌薬だけでは改善せず、
歯科処置(抜歯や膿の排出)が必要です。
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④ 異物(草の種など)
散歩中などに吸い込んだ草の種や小さなゴミが鼻の中に入ることがあります。
異物が粘膜を刺激して炎症や出血を起こすため、
突然のくしゃみや鼻血が見られるのが特徴です。
症状:
• 片側だけから鼻水・鼻血
• 急にくしゃみが止まらない
• 鼻を床や手でこする
異物は放置すると感染や膿瘍を起こすため、
内視鏡での確認・除去が必要です。
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⑤ 副鼻腔炎(慢性鼻炎)
鼻の奥(副鼻腔)に炎症が広がり、膿がたまりやすくなる病気です。
慢性化すると、治療しても鼻水が完全に止まらないことがあります。
原因としては、感染・アレルギー・歯根膿瘍・異物などが複合していることもあり、
複数の要因を総合的に評価する必要があります。
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⑥ 腫瘍(鼻腔内腫瘍)
高齢犬では、鼻腔内に腫瘍(腺癌・リンパ腫など)ができることもあります。
片側の鼻づまりや血の混じった鼻水、くしゃみの頻発が特徴です。
症状:
• 片側性の血混じり鼻水
• 鼻づまり・くしゃみ
• 顔の変形・目の突出
早期に発見できれば治療方針の選択肢が広がるため、
違和感が続く場合は早めの検査が大切です。
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3.ほさか動物病院での検査内容
鼻水の原因を正確に特定するには、
どこで炎症が起きているか、何が関係しているかを調べる必要があります。
ほさか動物病院では、以下の検査を組み合わせて行います。
• 視診・身体検査:鼻腔・口腔・喉の状態を確認
• レントゲン検査:副鼻腔の陰影や歯根病変の有無を確認
• 内視鏡検査:鼻腔内部を直接観察し、異物・腫瘍・炎症部位を確認
• 細胞診・培養検査:感染や腫瘍の可能性を評価
• 歯科検査:歯根膿瘍や歯周病の有無をチェック
外部施設への依頼が必要となる高度画像検査(CTなど)は、
必要に応じてご紹介しますが、基本的な診断は院内で完結します。
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4.治療方法
原因に応じて治療内容が異なります。
① 感染性鼻炎
• 抗菌薬・抗炎症薬の投与
• ネブライザー治療で鼻腔内を加湿・殺菌
• 温度と湿度の管理
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② アレルギー性鼻炎
• 抗ヒスタミン薬・抗炎症薬の使用
• アレルゲンの除去(空気清浄機・こまめな掃除)
• 栄養管理・皮膚アレルギーとの併発ケア
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③ 歯根膿瘍
• 抗菌治療の後、原因歯の抜歯・洗浄処置
• 口腔ケア・歯磨き指導による再発防止
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④ 異物
• 内視鏡で異物を除去
• 炎症が強い場合は抗炎症薬・抗菌薬の投与
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⑤ 副鼻腔炎・慢性鼻炎
• 抗菌薬・ネブライザー治療・点鼻薬
• アレルギー・歯根などの原因に合わせた総合治療
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⑥ 腫瘍
• 内科療法・外科切除・放射線治療など、腫瘍の種類と進行に合わせて対応します。
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5.ご家庭でできるケアと注意点
• 室内の湿度を保つ(加湿器の使用)
• 鼻をこすらせないよう注意
• 給与内容を見直し、免疫力を維持
• くしゃみ・鼻血・涙などが続く場合は早めに受診
乾燥や冷気、タバコの煙などは鼻粘膜を刺激するため、
生活環境を整えることも治療の一部です。
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6.ほさか動物病院の鼻水診療の特徴3つ
① 内視鏡を用いた鼻腔・副鼻腔の精密検査
鼻の奥の状態を直接確認し、異物・腫瘍・炎症の程度を正確に判断します。
② ネブライザー治療で鼻粘膜を保護
霧状の薬剤を吸入させ、炎症を鎮めて鼻通りを改善します。
③ 歯科・呼吸器・アレルギーの総合管理
歯根膿瘍・副鼻腔炎・アレルギーなど、複数の要因を一体的に診療します。
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7.終わりに
わんちゃんの鼻水は、一見軽い症状のようでも、
感染症、アレルギー、歯根病変、腫瘍など、
放置すると重症化することもあるサインです。
特に片側からの鼻水や血の混じった鼻水は、
早めの検査で原因を見極めることが大切です。
ほさか動物病院では、内視鏡・レントゲン・ネブライザーなどを活用し、
わんちゃんの呼吸を楽にするための総合診療を行っています。
鼻水やくしゃみが続く場合は、お早めにご相談ください。
わんちゃんが快適に過ごせる生活を、一緒に取り戻しましょう。