【動物病院監修】猫後天性免疫不全症候群(猫のエイズ)の原因と対処法とは?

【動物病院監修】猫後天性免疫不全症候群(猫のエイズ)の原因と対処法とは?
はじめに
相模原市・町田市・八王子市の皆様こんにちは。相模原市緑区にある、ほさか動物病院です。
私たちは、地域の皆様の大切なご家族であるねこちゃんやわんちゃんの健康を守るため、日々診療に取り組んでおります。今回は「猫後天性免疫不全症候群(猫のエイズ)」について解説いたします。
ねこちゃんの猫免疫不全ウイルス感染症(FIV)はウイルス性疾患です。感染してしまうと、免疫力が低下しさまざまな病気にかかりやすくなるため、適切な管理と早期対応が非常に重要です。
この記事では、FIVの原因や症状、自宅でのケア方法、受診すべきサイン、そして当院での治療方針とその特徴について詳しくご紹介します。
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猫後天性免疫不全症候群の原因と対処法とは?
猫免疫不全ウイルス(FIV)とは?
FIVとは、猫の免疫機能を破壊するレトロウイルスの一種です。一度感染すると完全な治癒は難しく、生涯にわたりウイルスを保持し続ける慢性疾患になります。
主な感染経路
•    咬傷による感染:特に未去勢の雄猫のケンカによる咬み傷から感染するケースが多く見られます。
•    母子感染:稀ではありますが、感染している母猫から胎児や授乳中に感染することがあります。
感染の影響
FIVに感染すると数ヶ月~数年の潜伏期間を経て、免疫力が低下し感染症や腫瘍にかかりやすくなります。
健康なねこちゃんであれば自然に治るような軽い病気が、FIVキャリアのねこちゃんでは命取りになることもあります。
FIVが引き起こす主な症状
•    慢性的な歯肉口内炎
•    鼻炎や皮膚炎などの反復性の感染症
•    慢性的な下痢や体重減少
•    発熱・リンパ節の腫れ
•    行動の変化(攻撃性の増加、無気力など)
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自宅でできるねこちゃんのFIV対処・ケア
FIVに感染していても、適切な生活環境と定期的な医療管理を行えば、長期間健康に暮らすことは十分に可能です。
1. ストレスの少ない生活環境づくり
•    静かで落ち着いた環境を整える
•    急な温度変化や騒音を避ける
•    無理な同居や多頭飼育は避け、争いを防ぐ
2. 完全室内生活を徹底
FIVのねこちゃんは免疫が弱いため、外に出すことで感染リスクや事故の危険が高まります。完全室内生活を徹底し、外猫との接触を避けましょう。
3. 食事管理と免疫力強化
•    良質な栄養バランスの整ったフードを与える
•    栄養補助食品(プロバイオティクス、免疫サポートサプリ)を活用
•    常に新鮮な水を用意し、脱水を防ぐ
4. 衛生環境の維持
免疫が低下しているFIVキャリアのねこちゃんは、環境中の細菌やウイルスにも敏感です。トイレ、食器、寝床などを清潔に保ちましょう。
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動物病院を受診すべきねこちゃんのFIVサイン
FIVは進行がゆっくりな病気ですが、以下のような症状が出てきたら早めに受診しましょう。
1. 歯肉炎・口内炎が長引く
口の中に潰瘍や出血が見られ、食べづらそうにしている場合、FIVによる慢性口内炎の可能性があります。
2. 鼻水・くしゃみが続く
免疫力低下により、一見軽い風邪のような症状でも重症化しやすいため注意が必要です。
3. 下痢や嘔吐を繰り返す
胃腸の粘膜も弱くなるため、食べ物の変化や異物誤飲などによる影響が出やすくなります。
4. 体重減少や元気がない
明らかなダイエットをしていないのに体重が減ってきた、活動量が減ってきた場合、免疫力の低下やFIVの進行の可能性があります。
5. 皮膚炎やしこり
皮膚の炎症が慢性化したり、リンパ節が腫れたりした場合も早めの検査が望まれます。
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ほさか動物病院のねこちゃんのFIV治療方法
当院ではFIV感染が疑われるねこちゃんに対し、以下のような順番で対応しております。
1. 問診・身体検査
•    ご家族から症状の経過、生活環境、過去の医療履歴を丁寧に伺います。
•    歯や口の状態、皮膚、体重などをチェックし、FIVに関連する兆候を見つけます。
2. 血液検査・ウイルス検査
•    抗体検査(院内検査キット使用)
•    必要に応じてPCR検査(外部検査センター)で確定診断を行います。
•    一般血液検査で免疫機能、貧血、感染症の兆候なども把握します。
3. 合併症への治療と予防管理
•    抗炎症薬、抗生物質などを使用した感染症コントロール
•    口内炎には消炎剤や免疫抑制剤、重度の場合は抜歯などの処置
•    栄養補助や点滴による体力維持
•    定期的な健康チェックによる早期発見・対応
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ほさか動物病院のねこちゃんFIV治療の特徴3つ
1. 高精度な検査による確実な診断
当院では、スクリーニング検査に加え、必要に応じてPCR検査や詳細な血液分析を行い、FIVの有無や進行状況を診断します。ご家族の不安を解消し、安心して治療方針を選べるようサポートいたします。
2. 合併症への多角的アプローチ
FIVは単体では症状が出にくい一方、感染症、口内炎、腸炎、皮膚炎などの合併症管理が重要です。当院では、ねこちゃんの状態に応じて薬物療法、外科処置、栄養管理を組み合わせ、総合的な健康維持を行います。
3. ご家族への丁寧な説明と生活指導
「何をすればいいの?」「家でのケア方法は?」といったご家族の疑問に対し、わかりやすい言葉で丁寧にご説明します。生活環境の整え方、食事の選び方、免疫サポートの工夫など、日常生活にすぐに活かせるアドバイスをお届けしています。
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おわりに
ねこちゃんのエイズ(FIV)は、一度感染すると一生付き合っていく必要のある病気ですが、適切なケアと早期の医療対応により、健康で穏やかな生活を続けることができます。
「口が痛そう」「風邪がなかなか治らない」「元気がない」など、少しでも気になる症状があれば、自己判断せず動物病院での検査をおすすめします。
ねこちゃんのエイズ(猫後天性免疫不全症候群)の場合は、早めに適切な対応を取ることが大切です!
症状が長引く場合や他の異常がある場合は、ほさか動物病院での診察をおすすめします。
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