【動物病院監修】犬のうんちが黒いときは要注意~消化管出血など病気のサインを見逃さない~

【動物病院監修】犬のうんちが黒いときは要注意~消化管出血など病気のサインを見逃さない~
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はじめに
相模原市・町田市・八王子市の皆様こんにちは。
相模原市緑区にある、ほさか動物病院です。
わんちゃんのうんちの色や形は、体の健康状態を映し出す大切なサインです。
その中でも「黒いうんち」は特に注意が必要です。
一見、フードの色や鉄分の影響のように思えることもありますが、実は消化管のどこかで出血しているサインであることがあります。
今回は、犬のうんちが黒くなる原因と、動物病院での検査・治療について詳しく解説します。
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犬の黒いうんちの原因と対処法とは?
黒いうんちは、血液が胃や腸で消化されて「タール便」と呼ばれる状態になっていることがあります。
これは上部消化管(胃・十二指腸・小腸)からの出血が主な原因です。
主な原因としては以下のようなものがあります。
・胃潰瘍、胃炎、十二指腸潰瘍
・誤飲や薬剤(ステロイド、NSAIDsなど)による粘膜障害
・腫瘍(胃がん、腸の腫瘍など)
・重度の腎疾患や肝疾患による消化管出血
・血液凝固異常(中毒、免疫疾患など)
・激しい嘔吐やストレスによる胃粘膜損傷
・寄生虫感染(鉤虫など)
一方で、鉄分を多く含むサプリメントや活性炭を服用している場合も、一時的にうんちが黒くなることがあります。
ただし、明らかな理由がない場合は、早急な検査が必要です。
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自宅でできる観察と初期対応
ご家庭で次の点を確認してみましょう。
・黒いうんちが続いているか、一時的か
・嘔吐や食欲低下があるか
・元気がなくなっていないか
・お腹を痛がる、触ると嫌がる様子があるか
・血のようなにおい(鉄臭さ)があるか
もしこれらの症状が見られる場合、自己判断で様子を見るのは危険です。
上部消化管からの出血が疑われる場合は、数時間〜1日単位で貧血が進むこともあります。
黒いうんちが1日以上続く、または他の症状を伴う場合は、できるだけ早めに動物病院を受診しましょう。
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動物病院を受診すべきサイン
・黒くてドロッとした便が出る
・嘔吐を伴っている
・食欲がない、元気がない
・歯茎や舌が白っぽい
・体重が急に減った
・腹部を触ると痛がる
これらは消化管出血や貧血のサインであり、放置すると命に関わることもあります。
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ほさか動物病院での検査と治療
当院では、原因を明らかにするために以下の検査を行います。
1.    身体検査・便の確認
実際のうんちを観察し、色・質・においを確認します。必要に応じて便潜血検査を行います。
2.    血液検査
貧血の有無、炎症反応、肝臓・腎臓の機能、出血傾向などを調べます。
3.    レントゲン検査・超音波検査
胃や腸の状態、腫瘍や異物の有無を確認します。
4.    内視鏡検査(必要時)
胃や十二指腸の粘膜を直接観察し、出血部位や潰瘍、腫瘍を確認します。
治療は原因によって異なりますが、以下のような方法を組み合わせます。
・点滴や輸液で脱水を補正
・胃薬や粘膜保護剤の投与
・抗生物質や抗潰瘍薬の使用
・貧血が重度の場合は輸血
・腫瘍や異物がある場合は外科的治療
当院では、内視鏡を用いた検査・処置を行うことで、開腹せずに診断・治療を行うことが可能です。
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ご家庭での生活と再発防止
・薬の使用時は必ず指示通りに与える
・ストレスをできるだけ避け、安静を保つ
・給与は消化の良い療法食や低脂肪食を選ぶ
・異物を口にしないよう環境を整える
・便の色や回数を毎日チェックする
胃や腸はストレスや体調変化の影響を受けやすい臓器です。
一度黒い便が出た場合は、その後の経過を必ず観察してください。
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ほさか動物病院の黒いうんち診療の特徴3つ
1.    消化管全体を視野に入れた総合的診断
胃・小腸・大腸までを超音波・内視鏡で丁寧に確認します。
2.    迅速な貧血・出血評価
血液検査や便潜血検査を当日中に行い、治療方針をすぐに立てます。
3.    再発防止を重視した生活指導
給与管理、薬剤調整、ストレス対策を含めたトータルケアを行っています。
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終わりに
犬のうんちが黒い場合、見た目以上に深刻な病気が隠れていることがあります。
単なるフードの色と判断せず、早めの検査が大切です。
ほさか動物病院では、血液・超音波・内視鏡を用いた総合診断で原因を特定し、
わんちゃんの状態に合わせた最適な治療を行っています。
「うんちの色がいつもと違う」「食欲がない」など小さな変化も、病気の早期発見につながります。
気になる症状があるときは、どうぞお気軽にご相談ください。