【動物病院監修】犬が水を飲まない~脱水や内臓疾患のサインを見逃さないために~
【動物病院監修】犬が水を飲まない~脱水や内臓疾患のサインを見逃さないために~
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はじめに
相模原市・町田市・八王子市の皆様こんにちは。
相模原市緑区にある、ほさか動物病院です。
「最近わんちゃんが水をあまり飲まない」「器の水が減っていない気がする」
そんなとき、季節や気温の変化だけでなく、体の中で何か異常が起きている可能性もあります。
水を飲まない状態が続くと、脱水を起こし、腎臓や循環器に負担がかかることがあります。
また、病気によって喉の渇きを感じにくくなる場合もあり、注意が必要です。
今回は、犬が水を飲まなくなる原因やご家庭でできる工夫、そして動物病院での治療について解説します。
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犬が水を飲まない原因と対処法とは?
犬が水を飲まない原因には、大きく分けて「生理的な理由」と「病気による理由」があります。
1. 生理的な理由
・涼しい季節になり、活動量が減った
・ドライフードからウェットフードに変えた
・水の温度や味(カルキ臭など)が気に入らない
・器の素材や設置場所が苦手
このような場合は、生活環境や給与内容を見直すことで改善することが多いです。
2. 病気による理由
・口や喉の痛み(歯周病、口内炎、異物など)
・腎臓病、肝臓病、糖尿病などの代謝疾患
・発熱や感染症による全身の不調
・脱水によるだるさ(飲みたくても飲めない状態)
・神経疾患や老化による感覚低下
特に高齢のわんちゃんや慢性疾患がある場合は、病気による食欲・飲水低下が多くみられます。
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自宅でできる犬が水を飲まないときの工夫
1. 飲み水の温度を調整する
冷たすぎると嫌がる子もいます。常温または少しぬるめの水を与えましょう。
2. 新鮮な水をこまめに交換する
においや汚れを嫌って飲まないことがあります。朝・昼・夜で交換をおすすめします。
3. 食事に水分を加える
ドライフードにぬるま湯をかけたり、ウェットフードを混ぜて水分量を増やします。
鶏ささみのゆで汁など風味をつけるのも効果的です。
4. 器の場所と形を工夫する
飲みやすい高さに設置したり、陶器製などに変えることで改善する場合があります。
5. ストレスを減らす
環境の変化や騒音などで不安を感じていると、水を飲まなくなることがあります。
落ち着ける場所を確保しましょう。
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動物病院を受診すべきサイン
次のような症状を伴っている場合は、病気のサインである可能性が高いため、早めの受診が必要です。
・丸1日以上水をほとんど飲んでいない
・おしっこの量が減っている、濃い色をしている
・食欲がない、嘔吐や下痢がある
・口の中が乾いてネバついている
・元気がなく、ぐったりしている
・発熱している
脱水が進むと、体の水分と電解質のバランスが崩れ、腎臓や心臓に大きな負担がかかります。
点滴などの治療が必要なケースも少なくありません。
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ほさか動物病院での検査と治療
当院では、わんちゃんが水を飲まない原因を明らかにするために、以下の検査を行います。
・血液検査(腎臓・肝臓・電解質・血糖など)
・尿検査(濃縮度、比重、潜血、糖など)
・口腔内検査(歯周病や炎症の確認)
・レントゲン・超音波検査(内臓疾患の評価)
脱水が確認された場合は、点滴(静脈または皮下)で水分と電解質を補います。
原因が病気による場合は、根本治療を行うことで飲水量の回復を目指します。
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ご家庭での生活と再発防止
・水を複数の場所に設置して飲みやすくする
・食事の水分量を意識して増やす
・気温・湿度を適切に保つ
・歯や口のケアを定期的に行う
・定期的に健康診断を受けて内臓疾患を早期発見する
水を飲まない状態は「病気の初期サイン」であることが多く、
早期に気づくことで重症化を防ぐことができます。
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ほさか動物病院の犬が水を飲まない症状への対応の特徴3つ
1. 原因を特定するための総合的検査
血液・尿・画像検査を組み合わせ、体全体のバランスを評価します。
2. 点滴治療と口腔ケアの併用
脱水だけでなく、口内トラブルや慢性疾患も同時にケアします。
3. 生活・食事指導による再発予防
水の与え方、食事内容、環境管理を含めた具体的なアドバイスを行います。
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終わりに
犬が水を飲まないのは、単なる気まぐれではなく体の異常を示していることがあります。
特に高齢のわんちゃんや持病のある子では、脱水が命に関わることもあります。
「最近あまり水を飲まない」「おしっこが少ない」と感じたら、早めの受診をおすすめします。
ほさか動物病院では、血液・尿検査を中心に原因を明らかにし、
わんちゃんの体調に合わせた安全な治療と生活サポートを行っています。
いつもと少し違うサインを感じたときが、健康を守る第一歩です。