【動物病院監修】犬の鼠径ヘルニア~お腹のふくらみや痛みは要注意!早期発見と治療が大切~

【動物病院監修】犬の鼠径ヘルニア~お腹のふくらみや痛みは要注意!早期発見と治療が大切~
________________________________________
はじめに
相模原市・町田市・八王子市の皆様こんにちは。
相模原市緑区にある、ほさか動物病院です。
わんちゃんのお腹の付け根にふくらみがある、触ると嫌がる、元気や食欲が落ちている――。
そんな症状が見られる場合、「鼠径(そけい)ヘルニア」が疑われます。
鼠径ヘルニアは、内臓や脂肪の一部が鼠径部(後ろ足の付け根付近)から皮下に飛び出してしまう病気で、放置すると腸や膀胱が締め付けられ、命に関わることもあります。
今回は、犬の鼠径ヘルニアの原因・症状・治療法、そしてほさか動物病院での治療方針について詳しくご紹介します。
________________________________________
犬の鼠径ヘルニアの原因と対処法とは?
鼠径ヘルニアは「先天的」なものと「後天的」なものがあります。
1. 先天性の原因
生まれつき鼠径部の筋肉の隙間が広く、腹腔内の組織が押し出されやすくなっているケースです。
特に若齢期に見つかることが多く、トイ・プードルやチワワ、ダックスフンドなどの小型犬で発生しやすい傾向があります。
2. 後天性の原因
加齢、妊娠、肥満、外傷、腹圧の上昇(咳や便秘)などによって発症することがあります。
避妊していないメスでは、発情や妊娠に伴うホルモン変化で発症しやすくなることもあります。
________________________________________
自宅で気づける鼠径ヘルニアのサイン
・お腹の付け根にやわらかいふくらみがある
・ふくらみが押すと引っ込むが、再び出てくる
・触ると痛がる
・嘔吐や食欲低下がある
・元気がない、歩き方が変わった
ふくらみが柔らかく、わんちゃんが元気で食欲もある場合は「還納性(押すと戻る)」ヘルニアで、比較的軽度のことが多いです。
しかし、硬く腫れて痛がったり、嘔吐を伴う場合は腸などが締め付けられて血流が止まる「嵌頓(かんとん)ヘルニア」の可能性があり、緊急対応が必要です。
________________________________________
動物病院を受診すべきサイン
・鼠径部が急に腫れた、ふくらみが大きくなった
・押しても戻らない
・嘔吐や食欲不振、ぐったりしている
・排尿や排便ができない
・痛みや発熱がある
これらの症状が見られる場合、早急に受診してください。
嵌頓ヘルニアは時間が経つと腸の壊死や腹膜炎を引き起こすことがあり、緊急手術が必要になります。
________________________________________
ほさか動物病院の鼠径ヘルニア治療方法
当院では、診察・画像検査を行い、ヘルニアの内容物(腸・脂肪・膀胱など)や進行度を正確に把握します。
1.    身体検査と触診
鼠径部のふくらみの大きさや柔らかさ、痛みの有無を確認します。
2.    超音波検査(エコー)
ふくらみの中に腸や脂肪が入っているかを確認します。
非侵襲的でわんちゃんに負担の少ない検査です。
3.    レントゲン検査
内臓の位置や腸のガス貯留、閉塞の有無を評価します。
4.    治療方針
鼠径ヘルニアの根本治療は手術です。
ヘルニアの内容物を元の位置に戻し、筋肉層を縫い合わせて再発を防ぎます。
軽度の場合でも再発や嵌頓の危険があるため、外科的修復を行うことが一般的です。
5.    去勢・避妊手術との併用
メスで避妊をしていない場合、ホルモンの影響を抑えるために避妊手術を同時に行うことがあります。
________________________________________
手術後のケア
・術後は安静にし、傷口を舐めさせないようにエリザベスカラーを使用します。
・抜糸までは激しい運動を控えるようにしましょう。
・再発防止のため、体重管理を行い、便秘や咳を放置しないことが大切です。
________________________________________
ほさか動物病院の鼠径ヘルニア治療の特徴3つ
1.    丁寧な画像検査で状態を正確に把握
超音波・レントゲンを併用して、ヘルニア内容物を的確に確認します。
2.    安全性を重視した外科手術
全身麻酔前に血液検査を行い、心臓・肝臓・腎臓などの状態を評価したうえで安全に手術を実施します。
3.    術後管理と再発予防の徹底
手術後のケアや生活指導を丁寧に行い、再発を防ぐサポートをしています。
________________________________________
終わりに
犬の鼠径ヘルニアは、初期では軽いふくらみだけで元気なこともありますが、放置すると命に関わる状態になることもあります。
「お腹の付け根にしこりがある」「痛がる」といったサインを見つけたら、早めにご相談ください。
ほさか動物病院では、超音波検査や手術による確実な治療を行い、わんちゃんの体への負担を最小限に抑えた治療を心がけています。