【動物病院監修】犬の誤飲・誤食~「うっかり食べた」が命に関わることも~

【動物病院監修】犬の誤飲・誤食~「うっかり食べた」が命に関わることも~
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はじめに
相模原市・町田市・八王子市の皆様こんにちは。
相模原市緑区にある、ほさか動物病院です。
わんちゃんは好奇心旺盛で、目の前にあるものをなんでも口にしてしまうことがあります。
しかし、「ちょっと食べただけだから大丈夫」と油断してしまうと、思わぬ事故につながることもあります。
誤飲・誤食は、軽度で済む場合もありますが、消化管閉塞や中毒を起こして命に関わる危険なケースもあります。
今回は、犬の誤飲・誤食の原因と症状、対処法、そしてほさか動物病院での対応について解説します。
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犬の誤飲・誤食の原因と対処法とは?
1. 好奇心や遊びの延長
特に子犬や若いわんちゃんは、口を使って物を確認する習性があるため、おもちゃや靴下などを誤って飲み込むことがあります。
2. 食べ物と勘違い
ティッシュ、果物の種、骨、トウモロコシの芯など、匂いがついたものを食べ物と誤認して飲み込んでしまうことがあります。
3. ストレスや退屈
長時間の留守番や運動不足から、ストレス発散のために物を噛んで飲み込む行動を取ることもあります。
4. 病的な食行動(異嗜)
代謝異常や栄養不良、消化器疾患などが原因で、食べ物でないものを口にする「異嗜(いし)」が見られることがあります。
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自宅でできる誤飲・誤食への対応
絶対にしてはいけないこと
・自己判断で吐かせようとする(特に尖ったものや腐食性物質の場合は危険)
・無理に口の中に手を入れる
・時間を置いて様子を見る
誤飲から時間が経つほど、食べた物が胃や腸へ移動し、取り出すのが難しくなります。
少しでも「食べたかもしれない」と思った時点で、すぐに動物病院に連絡してください。
自宅でできる観察
動物病院に行く前に、次の情報をまとめておくと診断がスムーズです。
・飲み込んだ可能性のある物の種類と量
・いつ頃食べたか
・嘔吐、下痢、元気・食欲の有無
・異物の一部が残っているかどうか
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動物病院を受診すべき誤飲・誤食のサイン
・急に吐く、吐こうとして苦しそうにしている
・よだれが多い、口を気にする
・ぐったりしている、落ち着かない
・お腹を触ると痛がる
・便が出ない、血便がある
・呼吸が荒い、咳き込む
これらの症状がある場合、異物が喉・胃・腸に詰まっている可能性があります。
誤飲物の種類によっては、化学的な中毒を起こすこともあります。
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代表的な危険物
・串、骨、トウモロコシの芯
・ボール、靴下、ぬいぐるみの部品
・タマネギ、チョコレート、ブドウ、キシリトール
・医薬品、サプリメント
・乾燥剤、保冷剤、洗剤
これらは消化されず、腸閉塞や中毒症状を引き起こすことがあります。
特に「ヒモ状のもの(毛糸・リボン・靴ひもなど)」は腸を引き裂く危険があり、非常に危険です。
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ほさか動物病院の診断と治療
当院では、誤飲・誤食の際に次のような手順で診断・治療を行います。
1.    問診と身体検査
 飲み込んだ可能性のある物や症状を丁寧に確認します。
2.    レントゲン検査・超音波検査
 異物の位置や腸閉塞の有無を確認します。金属や石などはレントゲンで確認しやすく、布やプラスチックはエコーで評価します。
3.    内視鏡検査
 胃内の異物が確認された場合、全身麻酔下で内視鏡を使用し、口から安全に取り出すことが可能です。
4.    外科手術
 腸や胃に詰まってしまった異物は、手術で除去が必要になることがあります。
 腸閉塞を起こしている場合は、緊急対応が必要です。
5.    中毒対応
 誤食した物が毒性のあるものであれば、点滴や解毒剤の投与、活性炭による吸着処置などを行います。
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ほさか動物病院の誤飲・誤食治療の特徴3つ
1.    迅速な画像診断と早期対応
 レントゲン・超音波を併用し、異物の位置と重症度を素早く判断します。
2.    内視鏡による低侵襲な治療
 開腹手術をせずに異物を取り出せるケースでは、内視鏡での除去を優先します。
3.    再発防止のための生活指導
 わんちゃんの性格や生活環境を踏まえて、誤飲を防ぐための工夫や注意点をご家族と一緒に考えます。
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終わりに
誤飲・誤食は、わんちゃんの年齢や性格に関係なく、どの家庭でも起こりうる事故です。
特に「元気そうだから大丈夫」と思って様子を見てしまうと、数時間後に状態が急変することもあります。
ほさか動物病院では、誤飲・誤食に対して迅速な診断と治療を行い、再発防止のための生活アドバイスも行っています。
万が一、わんちゃんが何かを飲み込んでしまった場合は、すぐにご連絡ください。