【動物病院監修】犬の尿路結石～排尿トラブルの原因と治療について～
________________________________________
はじめに
相模原市・町田市・八王子市の皆様こんにちは。
相模原市緑区にある、ほさか動物病院です。
わんちゃんがトイレで何度もしゃがむのに尿が少ししか出ない、血尿が見られる、排尿時に痛そうにしている――。
こうした症状がある場合、「尿路結石」が関係している可能性があります。
尿路結石は、尿の通り道（腎臓・尿管・膀胱・尿道）に結石ができる病気で、放置すると排尿障害や感染、腎臓へのダメージを引き起こすこともあります。
今回は、犬の尿路結石の原因と対処法、そしてほさか動物病院での診察・治療について詳しく解説します。
________________________________________
犬の尿路結石の原因と対処法とは？
1. ミネラルバランスの乱れ
尿中のミネラル成分（カルシウム、リン、マグネシウムなど）が過剰になったり、尿のpHバランスが崩れたりすると、結晶が形成されやすくなります。
この結晶が集まって結石になることで、尿の流れを妨げるようになります。
2. 尿の濃縮・水分摂取不足
飲水量が少ないと尿が濃くなり、結晶が析出しやすくなります。
特に冬場やドライフード中心の食事では、自然と水分摂取量が減るため注意が必要です。
3. 感染や体質
膀胱炎などの細菌感染が原因で尿がアルカリ性に傾き、ストラバイト結石ができやすくなることがあります。
また、シュウ酸カルシウム結石は尿が酸性に傾いた状態や遺伝的要因で形成されることが多いとされています。
4. 遺伝的要因や内分泌疾患
一部の犬種（ミニチュア・シュナウザー、シーズー、ダルメシアンなど）は結石を形成しやすい体質を持ちます。
また、副甲状腺機能異常や肝疾患、クッシング症候群などの代謝性疾患も関係することがあります。
________________________________________
自宅でできる尿路結石対策
・新鮮な水を常に与え、水分摂取量を増やす
・適切な栄養バランスのフードを選ぶ（結石予防食や尿pHコントロール食など）
・おしっこの回数や色、においを観察する
・トイレを清潔に保ち、排尿を我慢させない
尿の色が濃い、血が混じる、頻繁にトイレに行くなどの異変が見られたら、早めの受診が大切です。
________________________________________
動物病院を受診すべき尿路結石のサイン
・排尿時に痛そうに鳴く
・尿が少ししか出ない、あるいは出ない
・血尿が出る
・何度もトイレに行くが排尿量が少ない
・元気や食欲がない
特に「おしっこがまったく出ない」状態は、尿道が完全に詰まっている可能性があり、命に関わる緊急事態です。
すぐに動物病院を受診してください。
________________________________________
ほさか動物病院の診断と治療
当院では、尿路結石の原因を特定し、再発を防ぐために以下のような診断・治療を行っています。
1.    尿検査
　尿のpH、潜血、結晶の種類などを確認します。
2.    レントゲン検査・超音波検査
　結石の位置や大きさ、数を確認し、膀胱や尿道、腎臓の状態を把握します。
　尿道結石は多くの場合レントゲンやエコーで確認可能です。
3.    尿管結石の評価
　尿管結石は体の奥にあり、超音波やレントゲンで確認できない場合もあります。
　その際は、必要に応じて外部施設でCT検査を実施し、より正確な評価を行います。
4.    治療
　・ストラバイト結石：食事療法と抗菌治療で溶解が可能な場合があります。
　・シュウ酸カルシウム結石：溶けないため、外科的除去やカテーテル処置を検討します。
　・尿道閉塞の場合：緊急処置として導尿や外科的解除を行います。
5.    再発予防
　食事管理、水分摂取の工夫、定期的な尿検査を通じて、再発を防ぐサポートを行います。
________________________________________
ほさか動物病院の尿路結石治療の特徴3つ
1.    膀胱から尿道・尿管まで総合的に診断
　単に膀胱の結石だけでなく、尿管結石の可能性も視野に入れた診断を行います。
2.    外科・内科の両面から治療を実施
　結石の種類や場所に応じて、手術・内科療法を最適に組み合わせた治療を行います。
3.    再発防止に向けた生活・食事指導
　再発率の高い疾患だからこそ、治療後の管理を重視し、ご家族と一緒に長期的なサポートを行います。
________________________________________
終わりに
尿路結石は、再発しやすく、重症化すると命に関わることもある病気です。
特にわんちゃんが排尿に苦しそうな様子を見せた場合、早めの受診が何よりも大切です。
ほさか動物病院では、尿検査・画像検査を組み合わせ、膀胱・尿道・尿管までしっかりと評価し、結石の種類に応じた最適な治療と再発防止を行っています。
おしっこに異常を感じたら、早めにご相談ください。