はじめに
相模原市・町田市・八王子市の皆様こんにちは。
相模原市緑区にある、ほさか動物病院です。
「最近、わんちゃんの足取りがふらつく」「排尿や排便の様子がおかしい」といった変化を感じたことはありませんか？
その症状、もしかすると馬尾症候群（ばびしょうこうぐん）が関係しているかもしれません。
馬尾症候群は、脊髄の末端にある「馬尾（ばび）」と呼ばれる神経の束が圧迫されることで、下半身に痛みや麻痺、排泄異常などが起こる疾患です。
特に中型～大型犬でよく見られ、放置すると歩行困難や慢性的な痛みが残ることがあります。
今回は、犬の馬尾症候群について原因や症状、治療方法、そしてほさか動物病院での対応について詳しく解説します。

犬の馬尾症候群の原因と対処法とは

馬尾症候群は「脊椎（せきつい）」、特に腰の部分（腰椎）や仙椎周囲で神経が圧迫されることによって起こります。
主な原因
1.    椎間板ヘルニア
　腰椎と仙椎の境目（L7-S1）で椎間板が飛び出し、馬尾神経を圧迫することがあります。
2.    脊椎の変形（変性性脊椎症）
　加齢や体重の増加によって骨が変形し、神経の通り道が狭くなってしまう状態です。
3.    外傷や骨折
　交通事故や転倒などで脊椎が損傷し、神経を圧迫するケースもあります。
4.    腫瘍や感染症
　まれに腫瘍（脊髄腫瘍など）や細菌感染によって馬尾部が圧迫されることもあります。

自宅で見られる症状

馬尾症候群は初期症状がわかりにくく、進行とともに以下のようなサインが見られるようになります。
・腰や尾の付け根を触ると痛がる
・後ろ足がふらつく、よろける
・階段や段差を嫌がる
・尾をあまり振らなくなる
・排尿・排便の失敗（おもらし、便秘）
・後肢を引きずるように歩く
このような症状が見られた場合、神経の圧迫や痛みが進行している可能性があるため、早めの診察が必要です。

自宅でできる処置

馬尾症候群が疑われる場合、自宅での処置はあくまで「安静の維持」が中心となります。
・できるだけ安静にさせ、ジャンプや段差の昇降を避ける
・床を滑りにくくして、足腰への負担を軽減する
・体重を適正に保つ（肥満は症状を悪化させます）
・痛み止めを自己判断で与えず、必ず動物病院で処方を受ける

動物病院を受診すべきサイン

以下のような症状がある場合は、早急に受診してください。
・歩き方がおかしい、足がもつれる
・腰を丸めたまま動こうとしない
・排尿や排便がうまくできない
・痛みで鳴く、動くのを嫌がる
これらは神経の圧迫が強くなっているサインです。放置すると、神経の回復が難しくなることもあります。

ほさか動物病院での診断と治療

当院では、馬尾症候群の正確な診断と治療を行うため、以下の検査と治療を実施しています。
検査
・神経学的検査：反射や痛覚の有無を確認し、障害部位を推定します。
・レントゲン検査：骨の変形や椎間の狭まりを評価します。
・外部施設との連携によるMRI検査：必要に応じて外部施設にてMRI撮影を依頼し、神経圧迫の程度を詳細に確認します。
治療
1.    内科的治療
　初期や軽度の症例では、消炎鎮痛薬、神経保護剤、サプリメントなどを使用し、痛みや炎症を抑えます。
　また、生活環境の改善や運動制限も併用します。
2.    外科的治療
　内科治療で改善がみられない場合、神経圧迫を除去する外科手術を検討します。
　ほさか動物病院では外科手術も院内で対応可能です。
3.    リハビリ・理学療法
　術後や慢性例では、温熱療法や軽い運動リハビリを行い、筋肉の維持と神経回復を促します。

ほさか動物病院の馬尾症候群治療の特徴3つ

1.    神経学的検査による正確な診断
　臨床経験に基づいた神経学的評価で、障害部位を丁寧に確認します。
2.    外部MRI施設との連携
　必要に応じて外部でのMRI撮影を依頼し、より精密な画像診断を行います。
3.    外科手術にも対応した総合治療体制
　内科治療から外科手術、リハビリまで、症状に合わせた一貫した治療を行います。
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終わりに
馬尾症候群は、進行すると下半身の麻痺や排泄障害を引き起こす可能性があります。
早期発見と適切な治療により、わんちゃんの生活の質を大きく改善することができます。
もし、後ろ足のふらつきや痛み、排尿・排便の異常が見られた場合は、早めにほさか動物病院へご相談ください。