【動物病院監修】猫ちゃんの甲状腺機能亢進症の原因と対処法~高齢猫ちゃんに多い病気~

【動物病院監修】猫ちゃんの甲状腺機能亢進症の原因と対処法~高齢猫ちゃんに多い病気~
はじめに

相模原市・町田市・八王子市の皆様こんにちは。
相模原市緑区にある、ほさか動物病院です。

今回は、シニア期の猫ちゃんに多い内分泌疾患「甲状腺機能亢進症」について解説します。
「食欲はあるのに体重が減ってきた」「落ち着きがなく、鳴くことが増えた」などの症状が見られるときは、
この病気の可能性があります。

甲状腺機能亢進症は、放置すると心臓や腎臓にも悪影響を与えることがあるため、
早期発見・早期治療がとても重要です。

1.猫ちゃんの甲状腺機能亢進症の原因と対処法とは?
① 甲状腺とは?

甲状腺は首の下あたりにある小さな器官で、「甲状腺ホルモン」を分泌し、
代謝(体のエネルギーの使い方)を調整しています。
このホルモンが過剰に分泌されると、体の新陳代謝が異常に活発になり、
さまざまな症状を引き起こします。

② 原因

猫ちゃんの甲状腺機能亢進症の約95%は「良性の甲状腺腫(腺腫)」が原因です。
ごくまれに悪性腫瘍(甲状腺癌)の場合もありますが、多くは良性で、
ホルモンの分泌異常によって全身に影響が及びます。

高齢の猫ちゃん(10歳以上)に多く、
食欲旺盛なのに体重が減る、落ち着きがない、心拍数が速いなどの変化が見られます。

③ 主な症状

食欲旺盛なのに体重が減る

多飲多尿(水をよく飲み、おしっこの量が増える)

落ち着きがない、夜鳴きが増える

毛づやが悪い、毛がボサボサになる

嘔吐や下痢を繰り返す

呼吸が荒い、心拍が速い

元気すぎるように見える(実際は代謝過剰)

この病気の怖いところは、心臓・腎臓・肝臓などに負担をかけてしまう点です。
特に心臓では「甲状腺機能亢進症性心筋症」と呼ばれる肥大性変化を起こすことがあり、
放置すると心不全につながることもあります。

④ 対処法

猫ちゃんの甲状腺機能亢進症は、早期に発見できれば治療で十分にコントロール可能です。
治療法には以下のような選択肢があります。

2.自宅で気づける猫ちゃんの変化

病気の早期発見のためには、日常生活の中での「ちょっとした変化」に気づくことが大切です。

食欲が以前よりも強くなった

以前よりも水をよく飲む

トイレの回数・尿量が増えた

毛づくろいをしなくなった、毛が脂っぽい

体重が減った

落ち着きがなく、夜に鳴くようになった

心臓の鼓動が速い気がする

これらはすべて甲状腺ホルモンの過剰分泌による代謝異常のサインです。
特に高齢の猫ちゃんでこれらの変化が見られたら、早めの受診をおすすめします。

3.動物病院を受診すべき猫ちゃんのサイン

以下のような症状が見られる場合は、
単なる加齢変化ではなく病気の可能性があります。

食べても痩せる

水を頻繁に飲む

便がゆるく、排便回数が増えた

しきりに鳴く、性格が変わったように感じる

眠らずにウロウロする

呼吸が速く、心臓の鼓動が強い

これらの症状が続くときは、血液検査でホルモン値を確認することが重要です。

4.ほさか動物病院の甲状腺機能亢進症の診断・治療方法

当院では、甲状腺機能亢進症の診断・治療を院内で完結できる体制を整えています。

診断

血液検査(T4測定)
 → 甲状腺ホルモン(T4)の値を測定します。高値の場合、診断の目安となります。

腎臓・肝臓のチェック
 → 合併症の確認や、治療前後の安全評価を行います。

血圧測定・心臓検査
 → 心臓への負担を確認します。必要に応じて超音波検査も実施します。

治療

猫ちゃんの状態や年齢に合わせて、主に以下の治療を行います。

内服薬(抗甲状腺薬)による治療
→ もっとも一般的で、安全性が高い方法です。
甲状腺ホルモンの過剰分泌を抑える薬を毎日投与し、ホルモンバランスを整えます。
定期的な血液検査で効果を確認しながら量を調整します。

食事療法(ヨウ素制限食)
→ ヨウ素を制限することで甲状腺ホルモンの産生を抑えます。
薬が合わない猫ちゃんや、高齢で内服が難しい場合に有効です。

外科的切除(甲状腺摘出術)
→ 良性腫瘍が片側に限られている場合に選択されることもあります。
全身麻酔が必要なため、体調を十分に評価してから行います。

5.ほさか動物病院の甲状腺機能亢進症治療の特徴3つ
① 丁寧な全身チェックとバランス治療

甲状腺だけでなく、腎臓・肝臓・心臓など全身の状態を評価し、
猫ちゃんに無理のない治療方針を立てます。

② 定期的なホルモンモニタリング

治療中も定期的に血液検査を行い、T4値や腎機能の変化を確認します。
状態に応じて薬や食事内容を細かく調整することで、長期的に安定した生活を目指します。

③ 高齢猫ちゃんにも優しいケア体制

当院では、高齢の猫ちゃんが安心して診察を受けられるよう、
静かな診察室やストレスを軽減する工夫を取り入れています。
採血や検査も猫ちゃんの負担を最小限に抑えるよう心がけています。

6.ほさか動物病院での治療の流れ

問診・身体検査

血液検査(T4・腎臓・肝臓・血糖・電解質)

必要に応じて超音波検査・血圧測定

診断確定後、内服薬または食事療法を開始

2〜4週間後に再検査で効果を確認

継続治療・定期モニタリング

このように、当院では院内での検査・管理を中心に、
猫ちゃんの体調に合わせた長期的なサポートを行っています。

7.終わりに

甲状腺機能亢進症は、高齢の猫ちゃんに非常に多い病気です。
「元気すぎる」「よく食べる」といった一見良さそうな変化が、
実はこの病気のサインであることも少なくありません。

放置すると心臓や腎臓への負担が大きくなりますが、
早期に診断して適切な治療を行えば、長く穏やかな生活を送ることができます。

もし、猫ちゃんが最近やせてきた、食欲が変わった、水をよく飲むようになったと感じたら、
ぜひ早めにほさか動物病院までご相談ください。